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火葬費用はいくら?相場0円〜14.5万円|自治体差の理由と軽減制度

「火葬だけなら、いくらかかるのか」——葬儀社の見積書を前にして、火葬場に払うお金がいくらなのか分からないまま話が進んでいく、という声は少なくありません。結論から言うと、火葬場に支払う火葬料そのものは、0円から約14万5,000円まで開きがあり、その差はほぼ「どこの火葬場を使うか」で決まります。同じ火葬でこれだけ違うのは、公営か民営か、そして故人がその自治体の住民だったかどうかで料金が二重に設定されているためです。この記事では、火葬料の実額と地域差の仕組み、火葬料以外にかかるお金、そして負担を軽くする公的な制度を順に整理します。

この記事でわかること

  • 実額:公営・民営それぞれの火葬料の相場と、主要都市の具体的な金額がわかります。
  • 仕組み:住民料金と住民以外料金の二重価格が、誰の住所で判定されるのかがわかります。
  • 最新:2026年4月に変わった東京23区の火葬料と、27,000円の助成制度がわかります。
  • 火葬料以外:柩の保管料・控室料・骨壺など、火葬場で別途かかるお金がわかります。
  • 軽減策:葬祭費・埋葬料・葬祭扶助など、申請すれば受け取れる給付がわかります。
表1:火葬料金の相場まとめ(2026年7月時点)
区分相場料金の決まり方
公営火葬場(住民)0円〜約6万円自治体の条例。無料の市町村もある
公営火葬場(住民以外)約5万円〜8万円住民料金の数倍に設定されることが多い
民営火葬場約7万5,000円〜14万5,000円運営会社の料金表。住所による差はない
判定の基準原則として火葬許可証に記載された死亡者(自治体によっては申請者)の住所
目次

火葬の費用はいくら?公営と民営で相場が違う

火葬料の相場は、公営の火葬場なら住民で0円〜6万円程度、民営の火葬場なら7万5,000円〜14万5,000円程度です。同じ「遺体を火葬する」という行為に対して、これだけの幅が生まれます。

公営の火葬場は市区町村や広域行政組合が運営しており、料金は条例で定められています。住民の負担を抑える方針をとる自治体が多く、宇都宮市の「悠久の里」のように市民は無料という例もあれば、大阪市立瓜破斎場の1万円、名古屋市八事斎場の5,000円のように、数千円から1万円台で設定されている例も多く見られます。

一方の民営火葬場は、民間企業が設備を保有して運営しています。全国的には数が少ないのですが、東京23区は例外で、9か所ある火葬場のうち7か所が民営です。民営の場合は住所による区別がなく、誰が利用しても同じ料金になります。設備や待合施設が充実している反面、料金は公営より高くなるのが一般的です。

なお、火葬場は原則として自由に選べるわけではありません。地域によっては利用できる火葬場が実質1か所しかなく、「安いほうを選ぶ」という判断ができないこともあります。まずはご自身の地域でどの火葬場を使うことになるのかを、葬儀社に確認するところから始まります。

Q. 火葬だけなら費用はいくらですか?

A. 火葬場に支払う火葬料だけなら、公営で0円〜6万円程度、民営で7万5,000円〜14万5,000円程度です。ただし実際には搬送・安置・棺などが別途必要になるため、火葬のみで見送る場合でも総額はこれより大きくなります。

Q. 公営と民営、どちらを選べばよいですか?

A. 費用だけで言えば公営のほうが安く済みます。ただし利用できる火葬場は地域と住所で決まる部分が大きく、選択の余地がないこともあります。まずは葬儀社に、利用可能な火葬場とそれぞれの料金を確認してください。

なぜ同じ火葬でここまで違うのか|住民料金と住民以外料金

公営火葬場の料金がこれほど違って見える最大の理由は、ひとつの火葬場が「住民料金」と「住民以外料金」の2つの価格を持っているためです。火葬場は住民の税金で建てられ維持されている施設なので、住民には安く、それ以外の方には施設の実費に近い金額を求める、という考え方に基づいています。

差は小さくありません。名古屋市八事斎場は市民なら大人5,000円ですが、市外の方は7万円です。実に14倍です。横浜市も市内1万2,000円に対して市外は5万円、宇都宮市の悠久の里は市民無料に対して市外は6万3,800円となっています。「同じ建物で同じ火葬なのに、なぜ」と驚かれるのはこのためです。

火葬許可証に書かれた住所を見るその住所は、使う火葬場の自治体の中にあるか中にある住民料金(0円〜数万円)最も負担が軽い区分外にある住民以外料金(5万〜8万円)数倍になることがある※民営火葬場にはこの区分がなく、住所にかかわらず一律料金です

料金は「だれの住所」で決まるのか

ここが最も間違えやすい点です。判定に使われるのは、原則として火葬許可証に記載された死亡者の住所です。喪主やご遺族がその市に住んでいても、故人が市外にお住まいだった場合は住民以外料金になります。横浜市はこの「亡くなった方の住所で判定する」方式を明示しています。

ただし自治体によっては、死亡者または申請者のどちらかの住所が域内にあれば住民扱いとするところもあります。東京都の瑞江葬儀所は「火葬許可証に記載されている死亡者または申請者の住所が東京都内であること」を都民の条件としています。どちらの方式かは火葬場ごとに違うため、遠方でお亡くなりになった場合や、施設に入所していて住民票を移していた場合は、事前に火葬場か葬儀社へ確認してください。

Q. 火葬料は故人と喪主、どちらの住所で決まりますか?

A. 原則として故人(火葬許可証に記載された死亡者)の住所です。ただし瑞江葬儀所のように、死亡者または申請者のどちらかが域内であればよい火葬場もあります。判定方式は施設ごとに異なるため、事前確認が必要です。

Q. 住民票を移したばかりでも住民料金になりますか?

A. 火葬許可証に記載される住所が判定の基準になるため、住民登録が済んでいれば住民料金となるのが一般的です。ただし取り扱いは自治体ごとに異なるため、窓口で確認してください。

地域別の火葬料一覧|主要都市と東京23区

実際の金額を並べると、地域差の大きさがはっきりします。以下は主要な火葬場の火葬料です。

表2:主要火葬場の火葬料(2026年7月時点・大人料金)
火葬場区分住民住民以外
宇都宮市 悠久の里公営0円63,800円
名古屋市 八事斎場公営5,000円70,000円
大阪市立 瓜破斎場公営10,000円
横浜市 市営斎場公営12,000円50,000円
臨海斎場(東京)公営40,000円80,000円
瑞江葬儀所(東京都営)公営59,600円71,520円
東京博善の各斎場民営87,000円(一律・普通炉)

臨海斎場の「住民」とは、大田区・目黒区・世田谷区・品川区・港区の5区で構成される組合の区民を指します。瓜破斎場は市外の方の利用自体に制限があり、住民以外料金という設定はありません。このように、火葬場ごとに条件の立て方が異なる点にご注意ください。

2026年4月に変わった東京23区の火葬料

東京23区では、2026年4月に火葬料の仕組みが大きく変わりました。押さえておくべき点は3つです。

第一に、23区の民営火葬場の大半を運営する東京博善が、2026年4月1日の火葬分から普通炉の火葬料金を9万円から8万7,000円へ引き下げました。第二に、これまで5万9,600円で火葬できた「区民葬」の取り扱いが2026年3月31日の火葬分をもって終了しました。第三に、これを受けて特別区長会が、2026年4月から火葬料の一部にあたる2万7,000円を助成する制度を始めました。

この3つを合わせると、23区民が民営火葬場を利用した場合の実質的な負担は、8万7,000円から2万7,000円を差し引いた約6万円になります。区民葬の5万9,600円とほぼ同水準に収まる計算です。なお、生活保護を受給されている方に向けた減額・公費による火葬(3万9,000円)は、従来どおり継続されています。

助成は申請して受け取る仕組みです。手続きの方法や必要書類はお住まいの区によって案内が異なるため、葬儀社に確認するか、区の窓口へお問い合わせください。

Q. 東京23区の火葬料はいくらですか?

A. 民営の東京博善が運営する斎場は2026年4月1日の火葬分から普通炉8万7,000円です。特別区の助成2万7,000円を受けると実質約6万円になります。公営の臨海斎場は組合区民4万円、瑞江葬儀所は都民5万9,600円です。

Q. 区民葬はもう使えないのですか?

A. 東京博善における区民葬の取り扱いは2026年3月31日の火葬分をもって終了しました。代わりに2026年4月から、特別区長会による2万7,000円の助成制度が始まっています。

火葬料以外に火葬場でかかるお金

見積書を見て「思っていたより高い」と感じる原因の多くは、火葬料そのものではなく、火葬場で別途かかる費用です。代表的なものは、柩の保管料、待合や控室の使用料、そして骨壺です。

表3:火葬料以外に火葬場でかかる主な費用(瑞江葬儀所の例・2026年7月時点)
項目都民都民以外かかる場面
柩保管料(24時間以内)8,210円9,850円火葬までお預けする場合
控室料(20名以内)10,200円12,240円火葬中に待つ部屋を使う場合
骨壺(容器)1,600円〜22,600円サイズ・種類で変わる

このほか、民営火葬場では炉の等級によって料金が変わる仕組みがあり、個室の待合を使うかどうかでも金額が動きます。都市部では火葬場の予約が数日先になることがあり、その間の安置料やドライアイス代が日数分だけ加算される点も見落とされがちです。「火葬料はいくらですか」ではなく「火葬場に払う合計はいくらですか」と聞くのが、行き違いを防ぐ最短の質問です。

Q. 骨壺は自分で用意してもよいですか?

A. 火葬場や葬儀社で購入するのが一般的ですが、持ち込みを認めている施設もあります。納骨先の墓地や納骨堂によってサイズの決まりがある場合があるため、先に納骨先の条件を確認してから選ぶと確実です。

火葬料はいつ・どうやって払うのか

火葬料の支払い方法は、大きく2通りあります。ひとつは火葬場の窓口で当日支払う方法、もうひとつは葬儀社が立て替えて、後日の請求にまとめて含める方法です。多くの場合は後者ですが、火葬場によっては現金での支払いを求められることがあります。

事前に確認しておきたいのは、①火葬料が葬儀社のプラン料金に含まれているか、別途実費か ②支払いは当日か後日か ③現金が必要かの3点です。特に「火葬料込み」とうたうプランでも、住民以外料金になる場合や炉の等級を上げた場合は差額が発生します。見積書のどの行が火葬場へ支払うお金なのかを、契約前に指し示してもらうとよいでしょう。

Q. 火葬料は当日、現金で必要ですか?

A. 葬儀社が立て替えて後日精算するケースが多いものの、火葬場によっては当日窓口での現金払いが必要です。どちらになるかは火葬場と葬儀社の運用によるため、事前に確認してください。

火葬費用を軽くする制度|葬祭費・埋葬料・葬祭扶助

火葬を含む葬儀の費用には、申請すれば受け取れる公的な給付があります。いずれも自動的には支給されず、こちらから申請する必要があります

表4:申請すれば受け取れる主な給付
制度対象金額申請先・期限
葬祭費国民健康保険・後期高齢者医療の加入者東京23区は一律7万円。周辺は5万円程度、3万円の自治体もある市区町村/葬儀から2年
埋葬料協会けんぽ・健康保険組合などの加入者5万円健康保険組合等/死亡の翌日から2年
葬祭扶助生活保護受給者など基準額の範囲内福祉事務所/葬儀前に申請
特別区の火葬料助成東京23区民2万7,000円各区/2026年4月開始

葬祭費で注意したいのは、火葬のみで見送った場合に「葬儀を行った」と認められず、支給の対象外とする自治体がある点です。運用は見直されることがあるため、火葬のみを検討している場合は、お住まいの市区町村の窓口に事前に確認してください。葬祭扶助は他の2つと異なり、葬儀を行う前に申請する必要があります。費用の工面が難しい場合は、まず福祉事務所へご相談ください。

Q. 葬祭費と埋葬料は両方もらえますか?

A. いいえ。故人が加入していた健康保険の種別によってどちらか一方となります。国民健康保険・後期高齢者医療なら葬祭費、協会けんぽや健康保険組合なら埋葬料です。

Q. 火葬のみでも葬祭費は受け取れますか?

A. 自治体によって扱いが分かれます。「葬儀を行った」と認めず対象外とする自治体があるため、火葬のみを検討している段階で、お住まいの市区町村へ確認しておくことをおすすめします。

子どもの火葬・死産の場合の費用

お子さまや死産のお子さまの火葬については、多くの火葬場が大人とは別の区分を設けています。名古屋市八事斎場は10歳未満が市民2,500円、大阪市立瓜破斎場は10歳未満6,000円・死産児3,000円、瑞江葬儀所は7歳未満が都民3万4,500円・胎児1万8,400円といった設定です。年齢の区切りは施設によって異なります。

なお、妊娠12週以降の死産の場合は、死産届の提出と火葬許可証の交付という手続きが必要になります。手続きや必要書類は市区町村の窓口で案内を受けられますが、こうした場面ではご家族が動ける状態にないことも多いため、葬儀社に代行を依頼することもできます。金額の多寡ではなく、必要な手続きが滞りなく整うことを優先してお考えください。

Q. 死産の場合も火葬許可証は必要ですか?

A. 妊娠12週以降の死産では死産届の提出と火葬許可証の交付が必要です。手続きは市区町村の窓口で案内を受けられるほか、葬儀社に依頼することもできます。

火葬のみで見送る場合の総額はどうなるか

ここまでは火葬場に支払う火葬料の話でした。実際に火葬のみで見送る場合は、これに寝台車での搬送、火葬までの安置、棺や骨壺、そして葬儀社の人件費が加わります。火葬料はあくまで総額の一部であり、公営火葬場を使えるかどうかで総額も変わってきます。

火葬のみ(直葬・火葬式)の総額の内訳と、追加料金が発生しやすい場面については、直葬の費用相場は?内訳と追加料金トラブルを回避する方法で詳しく解説しています。火葬当日の流れや必要な手続きは火葬とは?当日の流れから費用相場・必要な手続きまで徹底解説をご覧ください。

費用でつまずかないための確認手順

火葬の費用で行き違いが起きるのは、多くの場合「どこまでが火葬場に払うお金で、どこからが葬儀社に払うお金か」が曖昧なまま進んでしまうためです。次の順に確認していけば、見積書の中身が整理できます。

どの火葬場を使うことになるかを葬儀社に聞く故人の住所で住民料金になるか、住民以外料金かを確認する火葬料のほかに柩保管料・控室料・骨壺がいくらかかるか聞く火葬場の予約が何日先か、安置日数が何日分になるか確認する葬祭費・埋葬料・(23区なら)火葬料助成の申請先を控えておく

②の段階で住民以外料金になると分かった場合、故人の住所地に近い火葬場を使う選択肢が残っていることもあります。搬送距離が延びると寝台車の費用が増えるため、必ず両方を比べたうえで判断してください。

まとめ

火葬場に支払う火葬料は、公営で0円〜6万円程度、民営で7万5,000円〜14万5,000円程度です。この差は施設のグレードではなく、公営か民営か、そして故人がその自治体の住民だったかどうかで決まります。判定は原則として火葬許可証に記載された住所で行われるため、遠方でお亡くなりになった場合は事前の確認が欠かせません。

東京23区では2026年4月に、東京博善の火葬料が8万7,000円になり、区民葬が終了し、代わりに2万7,000円の助成が始まりました。実質負担は約6万円です。あわせて葬祭費や埋葬料など、申請すれば受け取れる給付も忘れずに手続きしてください。いずれも申請しなければ受け取れません。

なお、記載の金額はいずれも2026年7月時点のものです。火葬料も助成制度も改定されることがあるため、実際にご利用になる際は各火葬場・各自治体の最新の案内をご確認ください。慌ただしい中でも、火葬場に払う金額と葬儀社に払う金額を一度分けて眺めてみると、判断の見通しはずいぶん立てやすくなります。

記事監修者

記事監修者

千葉龍一
【厚生労働省認定技能試験 1級葬祭ディレクター】

葬祭業務に13年以上従事し、事前相談から打合せ、施行まで累計1,000件以上の葬儀をサポートする1級葬祭ディレクター。一般葬・家族葬を中心に、ご家族の意向と地域の慣習を尊重した葬儀運営を得意としている。 特に岩手県南部地域の葬儀事情(寺院での葬儀行列や、七日ごとの「拝み日」など)に精通。葬儀が単なる儀式にならず、故人らしさが感じられるお見送りとなるよう、ご遺族の気持ちに寄り添う対応を信条とする。喪主様やご遺族様が最期の時間に集中できるよう、先回りした進行・準備のサポートを徹底している。

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