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直葬の金額は平均いくら?費用の内訳と追加料金トラブルの避け方

「直葬なら安く済む」と聞いて調べ始めたものの、広告に並ぶ「◯万円〜」と実際の請求額がどう違うのか分からない——直葬を検討する方の多くがここでつまずきます。この記事では、最新の全国調査による直葬の金額、内訳、上振れする原因、そして総額を抑える方法を順に整理します。

この記事でわかること

  • 総額の目安:直葬にかかった金額の全国平均は49.56万円。一方で基本プランだけなら20万円前後から用意されており、この差がどこから生まれるのかがわかります。
  • 金額の内訳:支払い先が「葬儀社・火葬場・お寺」の3つに分かれていること、火葬料は公営と民営で8万円近い差が出ることがわかります。
  • 上振れの防ぎ方:火葬待ちの安置料や搬送距離の超過で金額が積み上がる仕組みと、契約前に確認しておきたい項目がわかります。
目次

直葬の金額は平均49.56万円|まず総額の目安を知る

直葬にかかった金額は、総額の全国平均で49.56万円とされています。ただし基本プランだけなら20万円前後から選べます。

直葬(火葬式)は、通夜・告別式を行わず火葬のみで見送る形式です。形式そのものの詳細は「直葬とは?後悔しないための注意点を徹底解説」で解説しているため、ここでは金額に絞って整理します。

総額の平均は49.56万円、基本プランは20万円前後から

同じ直葬でも「総額」と「基本プラン」では見ている金額が違うため、二つの数字を分けて捉える必要があります。

葬儀相談サービス「いい葬儀」を運営する鎌倉新書の「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」によると、直葬・火葬式にかかった費用の平均は49.56万円でした(前回調査比+1.71万円)。これは直近2年以内に喪主を経験した40歳以上の男女2,000人への調査(調査期間2026年2月27日〜3月3日)による数字です。

一方、葬儀社が提示する直葬の基本プランは20万円前後から用意されていることが多く、広告で見かける金額はこちらを指します。平均49.56万円という数字は、基本プランに火葬料・安置の延長・棺のグレード変更などを積み上げた後の「実際に支払った総額」の平均だと理解しておくと、見積書を読むときに混乱しません。

家族葬・一日葬・一般葬との金額比較

直葬は他の葬儀形式と比べて最も金額が低く、一般葬とは70万円以上の差があるとされています。

葬儀形式平均金額日数の目安通夜・告別式
直葬・火葬式49.56万円火葬当日のみ行わない
一日葬74.43万円1日告別式のみ
家族葬96.39万円2日行う(近親者のみ)
一般葬122.01万円2日行う

(鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」より作成。葬儀費用の総額平均は96.73万円)

形式ごとの詳しい相場は「葬儀費用の相場は96.7万円|内訳・形式別料金と安く抑える方法」、家族葬と迷っている場合は「家族葬の金額は平均いくら?内訳と追加費用・安く抑えるコツ」も参考になります。

「◯万円〜」の表示金額と総額がずれる理由

表示金額は基本プランの下限であり、火葬料や安置の実費が含まれていない場合があるためです。

チラシやウェブ広告の「直葬9.8万円〜」といった表示は、多くの場合、寝台車・棺・骨壺・スタッフ人件費といった最小構成の基本セット料金です。ここに次のような費用が別枠で乗ることがあります。

  • 火葬料(自治体・火葬場に支払う実費。地域差が大きい)
  • 安置料・ドライアイス代(日数に応じて加算)
  • 搬送距離の超過分、深夜・早朝の割増
  • 棺や骨壺のグレード変更分

「◯万円〜」の金額が総額とは限らないという前提で見積書を読み、火葬料を含めた総額がいくらになるかを最初に確認しておくことが大切です。

直葬の金額の内訳|3つの支払い先に分けて考える

直葬の金額は、葬儀社・火葬場・お寺という3つの支払い先に分けると全体像がつかめます。

図解1:直葬の金額は「3つの支払い先」に分かれる① 葬儀社へ基本プラン一式寝台車・棺・骨壺安置・ドライアイス20万円前後〜② 火葬場へ火葬料(実費)公営:無料〜2万円未満民営:8万円以上が約7割0〜9万円程度③ お寺へ炉前読経のお布施戒名を依頼する場合は別途必要になることも3〜5万円程度◀ この3つを足したものが「実際に支払う総額」=全国平均49.56万円 ▶※お寺への支払いは、菩提寺の有無や依頼する内容によって発生しない場合もあります※金額は地域・火葬場・宗派により異なります

① 葬儀社に払うお金(基本プラン)

葬儀社への支払いは、搬送・安置・棺・骨壺・スタッフの人件費をまとめた基本プランが中心になります。

直葬の基本プランに一般的に含まれるのは、寝台車による搬送、安置と保全(ドライアイス)、棺、骨壺、火葬許可申請の代行、当日のスタッフ対応です。プラン価格は20万円前後からが目安とされていますが、同じ「直葬プラン」でも含まれる項目は葬儀社ごとに違います。とくに火葬料と安置料が含まれるかどうかで総額が大きく変わるため、この2点は見積書で必ず確認しておきたい項目です。

② 火葬場に払うお金|公営と民営で8万円近い差

火葬料は公営が無料〜2万円未満、民営は8万円以上が約7割で、どちらを使うかで総額が変わります。

東京都が実施した火葬場の実態調査では、公営火葬場の多くが住民に対して無料または2万円未満としているのに対し、民営火葬場は約7割が8万円以上でした。東京23区は民営が中心で、2026年4月時点では民営火葬場の普通炉が87,000円に統一されています(それ以前の主要事業者の料金は90,000円)。あわせて23区共通の助成制度が設けられ、上限は大人27,000円・小人15,000円とされています。

火葬場の区分火葬料の目安補足
公営(住民)無料〜2万円未満が多い大阪市立斎場は市内在住者10,000円(小人6,000円)
公営(区域外)数万円に上がることがある大阪市立斎場は市外60,000円
民営約7割が8万円以上東京23区は2026年4月時点で普通炉87,000円(助成上限27,000円)

(東京都の火葬場実態調査、大阪市および東京23区の公表資料をもとに作成。料金・助成の要件は自治体により異なります)

同じ直葬でも、住む地域と使える火葬場によって総額はここまで変わります。

条件火葬料基本プラン総額の目安
公営火葬場が無料の地域・待ちなし0円20万円前後20万円台
大阪市内在住・市立斎場を利用1万円20万円前後20万円台後半
東京23区・民営+火葬待ち3日8.7万円(助成後6万円)20万円前後+安置延長30万円台〜

(各公表料金をもとにした試算。実際の金額は葬儀社のプラン内容と安置日数により異なります)

火葬そのものの手続きは「火葬とは」で解説しています。

③ お寺に払うお金(炉前読経のお布施)

火葬炉の前で読経を依頼する場合、お布施は3〜5万円程度が目安とされています。

直葬でも、出棺前や火葬炉の前で短い読経(炉前読経)をお願いすることができます。この場合のお布施は3〜5万円程度が一つの目安とされていますが、宗派・地域・寺院により金額は異なります。戒名を授かる場合は別途必要になることが一般的です。

なお、菩提寺(お付き合いのあるお寺)がある場合は、読経を依頼するかどうかにかかわらず事前の相談が必要とされています。相談なく直葬を行った結果、納骨の段階で問題になることがあるためです(詳しくは後述します)。

直葬の金額が上振れする3つの原因

直葬の金額が見積もりより上がるのは、安置日数・搬送距離・オプション扱いの3つが主な原因です。

図解2:火葬待ちの日数だけ金額が積み上がる20万円前後基本プラン待ちなし+1.5〜2万円基本プラン安置1日延長+3〜4万円基本プラン安置2日延長+6〜8万円基本プラン安置4日延長基本プラン安置の超過分火葬場が混み合う時期は、待ち日数がそのまま金額に乗ってきます※多くのプランは安置3日前後までを含み、超過分が1日単位で加算される形式とされています※加算額・含まれる日数は葬儀社により異なります

火葬待ちで安置料が日数分積み上がる

火葬場の予約が取れない日数だけ安置料とドライアイス代が加算され、総額が上がります。

火葬場が混み合う時期は、亡くなってから火葬まで数日待つことがあります。直葬のプランは安置3日前後までを含む形が多く、それを超えると1日あたり1.5〜2万円程度が加算されていくのが一般的とされています。4日待てば6〜8万円、1週間待てばそれ以上が基本プランに上乗せされる計算です。

「直葬にしたのに思ったより高かった」という声の多くは、この安置日数の延長によるものです。見積もりの段階で「安置は何日分まで含まれるのか」「超過1日あたりいくらか」を確認しておくと、総額の見通しが立ちます。

搬送距離の超過と深夜・休日の割増

寝台車の走行距離が規定を超えた分と、深夜・早朝の対応には割増が発生します。

基本プランに含まれる搬送距離は10〜50km程度に設定されていることが多く、超過分は1kmあたりで加算されます。病院から安置場所、安置場所から火葬場と2回搬送が発生するため、遠方の場合は想定より距離が伸びやすくなります。深夜・早朝の搬送に割増料金を設けている葬儀社もあります。

必須項目がオプション扱いになっている

骨壺や搬送用の寝台用品など、必ず使うものがプラン外に置かれている場合があります。

格安を打ち出したプランでは、骨壺・仏衣・搬送用のシーツといった実際には必ず使う品目が別料金になっていることがあります。また、体格によって標準サイズの棺が使えない場合の差額、火葬場への付き添い人数による車両追加なども、当日になって判明しやすい項目です。「このプランに含まれないものは何か」を一覧で出してもらうのが、確実な確認方法です。

直葬の金額はいつ・どうやって払う?

葬儀費用の支払いは、葬儀後1週間から10日以内に設定している葬儀社が多いとされています。

直葬は火葬当日で式が完結するため、請求も早い段階で届きます。支払い方法は現金または銀行振込が一般的ですが、クレジットカードや葬儀ローンに対応する葬儀社も増えています。直葬は総額が100万円を下回るケースが多く、カード決済の上限内に収まりやすい形式でもあります。

香典を受け取らない前提で行うことが多いため、一般葬のように「香典で一部をまかなう」ことは想定しにくい点にも注意が必要です。手元の現金で不足しそうな場合は、契約前の段階でカード払いや分割の可否を確認しておくと安心です。

直葬の金額を抑える4つの方法

火葬場の選択、相見積もり、公的給付の申請という3方向から、総額を下げられる余地があります。

公営火葬場を使えるか、総額で確認する

公営火葬場は火葬料が抑えられますが、待ち日数を含めた総額で比べる必要があります。

公営火葬場は住民であれば無料〜2万円未満で利用できる地域が多く、火葬料だけを見れば民営より大幅に安く済みます。ただし予約が混み合い、順番待ちの日数分だけ安置料が加算されて、結果的に総額が逆転する場合があります。「火葬料がいくら安いか」ではなく「待ち日数を含めた総額がいくらか」で比較してください。

3社以上から相見積もりを取る

同じ内容でも葬儀社によって金額は異なるため、複数社の見積もりを並べると差が見えます。

鎌倉新書の全国調査では、喪主の87.1%が相見積もりを取らないまま葬儀社を決めているという結果が出ています。同じ調査で「事前準備をしていなかった」と答えた喪主は63.8%でした。比較する時間が取りにくい状況だからこそ、火葬場の指定(公営か民営か)と、安置料・火葬料が見積もりに含まれているかという2点だけでも各社に揃えて聞くと、比較の土台ができます。

葬祭費・埋葬料の5万円を申請する

国民健康保険なら葬祭費、健康保険なら埋葬料が支給され、いずれも申請が必要です。

制度金額申請先期限
葬祭費(国民健康保険)大阪市の場合5万円区役所の保険年金業務担当葬儀の日の翌日から2年
埋葬料(協会けんぽ等)5万円加入している保険者死亡の翌日から2年

(大阪市および全国健康保険協会の公表資料より作成。支給額・要件は自治体および保険者により異なります)

どちらも自動的には支給されず、申請して初めて受け取れます。葬儀費用の領収書が必要になるため、直葬であっても領収書は必ず保管しておいてください。金額は自治体によって異なるため、お住まいの窓口で確認するのが確実です。

生活保護なら葬祭扶助を確認する

生活保護を受給している場合、葬祭扶助により火葬に必要な費用が支給される仕組みがあります。

葬祭扶助の基準額は、厚生労働省の通知で大人206,000円以内・小人164,800円以内とされています。ただし実際の上限額や適用要件は自治体が定めており、地域によって異なります。また、原則として葬儀を行う前に福祉事務所へ申請する必要があるとされているため、先に葬儀社と契約してしまうと対象外になることがあります。該当しそうな場合は、まず管轄の福祉事務所に連絡してください。

金額だけで決めると後悔する|契約前に確認したいこと

直葬は費用を抑えられる形式ですが、菩提寺と親族への確認を省くと後から費用と手間が発生します。

直葬当日の具体的な進行は「直葬の流れと全手順」にまとめています。ここでは、金額に跳ね返る確認事項に絞ります。

菩提寺に納骨できるかを先に聞く

菩提寺がある場合、葬儀を行わないと納骨を受け入れてもらえないことがあるためです。

直葬で最も多い後悔が、火葬を終えてから納骨の段階で起きるものです。「お墓に納めようとしたら戒名が必要だと言われた」「改めて法要を行うことになった」という形で、想定していなかった費用が後から発生します。菩提寺がある場合は、直葬を選ぶ前に「直葬でも納骨できるか」「戒名は必要か」「後日の法要は必要か」を確認しておくのが確実です。宗派・寺院により対応は異なります。

親族には金額と理由を先に伝える

直葬は参列の機会が無いため、事前に知らせておかないと後の関係に影響することがあります。

通夜・告別式を行わない直葬では、親族が最後に対面する機会が限られます。費用の都合で選ぶ場合でも、なぜ直葬にするのかを先に伝えておくと、理解を得やすくなります。どうしても折り合わない場合は、告別式のみを行う一日葬(平均74.43万円)という選択肢もあります。

契約前の見積もりチェックリスト

見積書の次の10項目を確認しておけば、当日になって追加請求が出る事態はほぼ防げます。

確認項目見るポイント
火葬料が総額に含まれるか公営か民営か、金額はいくらか
安置料に含まれる日数何日分までか、超過1日あたりいくらか
ドライアイス代日数に応じた加算があるか
搬送距離の上限何kmまでか、超過分の単価
深夜・早朝の割増時間帯による加算の有無
棺・骨壺プランに含まれるか、サイズ変更時の差額
火葬許可申請の代行手数料が別途かかるか
面会・付き添いの可否利用料が発生するか
支払い方法と期限カード・分割が使えるか
キャンセル料契約後に変更した場合の規定

直葬の金額についてよくある質問

Q. 直葬で一番安い金額はいくらですか?

A. 基本プランだけなら10万円台から用意している葬儀社もあります。ただし表示金額の多くは火葬料や安置の延長分を含まない基本料金であり、実際に支払った総額の全国平均は49.56万円とされています。公営火葬場が無料の地域で待ちが発生しなければ20万円台に収まることもありますが、地域と時期によって変わります。

Q. 直葬でお布施はいくら包めばよいですか?

A. 火葬炉の前での読経を依頼する場合は3〜5万円程度が目安とされています。戒名を授かる場合は別途必要になることが一般的です。金額は宗派・地域・寺院により異なるため、菩提寺がある場合は直接相談するのが確実とされています。

Q. 直葬の費用が払えないときはどうすればよいですか?

A. まず葬儀社にクレジットカード払いや葬儀ローンの取り扱いがあるかを確認してください。あわせて、国民健康保険の葬祭費や健康保険の埋葬料(いずれも5万円程度)は申請すれば後日受け取れます。生活保護を受給している場合は、葬儀を行う前に福祉事務所へ葬祭扶助の相談をする必要があるとされています。

Q. 直葬でも香典は受け取るのですか?

A. 参列者を招かない形式のため、香典を辞退するケースが多いとされています。訃報を知った方から郵送などで届いた場合は、いただいた額の半分程度を目安に香典返しをするのが一般的です。地域の慣習により異なる場合があります。

まとめ

直葬の金額は、実際に支払った総額の全国平均が49.56万円、基本プランだけなら20万円前後からが目安です。

この差を生むのは、火葬料が公営か民営か、そして火葬待ちで安置日数がどれだけ延びるかという2点です。

  • 総額の全国平均は49.56万円(鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」)
  • 支払い先は葬儀社・火葬場・お寺の3つに分かれ、火葬料は公営と民営で8万円近い差が出る
  • 安置日数の超過は1日1.5〜2万円程度が加算されるため、待ち日数を含めた総額で比較する
  • 葬祭費・埋葬料の5万円は申請しなければ受け取れない
  • 菩提寺がある場合は、直葬を選ぶ前に納骨と戒名の可否を確認しておく

金額を抑えることと、後から困らないことは両立できます。見積書の内訳と菩提寺への確認、この2つを先に済ませておくことが、直葬で後悔しないための現実的な備えです。

記事監修者

記事監修者

千葉龍一
【厚生労働省認定技能試験 1級葬祭ディレクター】

葬祭業務に13年以上従事し、事前相談から打合せ、施行まで累計1,000件以上の葬儀をサポートする1級葬祭ディレクター。一般葬・家族葬を中心に、ご家族の意向と地域の慣習を尊重した葬儀運営を得意としている。 特に岩手県南部地域の葬儀事情(寺院での葬儀行列や、七日ごとの「拝み日」など)に精通。葬儀が単なる儀式にならず、故人らしさが感じられるお見送りとなるよう、ご遺族の気持ちに寄り添う対応を信条とする。喪主様やご遺族様が最期の時間に集中できるよう、先回りした進行・準備のサポートを徹底している。

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