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一周忌のお布施|袋の書き方・お札の向き・渡し方を見本付きで解説

一周忌の準備で「お布施の封筒はどれを選べばいいのか」「お札はどちら向きに入れるのか」「当日はどのタイミングで渡せばいいのか」と迷っていませんか。お布施は香典と作法が少しずつ異なり、初めて施主を務める方がつまずきやすい部分です。この記事では、封筒の選び方から表書き・中袋の記入見本、お札の入れ方、当日の渡し方と添える言葉までを、順を追って解説します。

この記事でわかること

  • 封筒の選び方:水引なし・郵便番号欄なしの白無地が基本とされています
  • 書き方:表書きは濃墨で「御布施」。香典の薄墨とは異なります
  • お札の向き:肖像画が封筒の表側・上向き。香典とは逆になります
  • 渡し方:切手盆または袱紗に乗せ、僧侶から表書きが読める向きにして両手で差し出します
目次

一周忌のお布施でまず決める3つ(何を・いくら包む・どう渡す)

一周忌のお布施は、僧侶に読経などの供養をしていただいたことへの謝礼です。当日までに「包む物・金額・渡し方」の3点を決めておくと、当日迷わずに済みます。

図解1:お布施の準備でまず決める3つ(早見表)
決めること基本とされる形迷いやすい点
何を包むかお布施。ほかに御車代・御膳料・卒塔婆料が必要な場合ありそれぞれ別の封筒に分ける
いくら包むか3万円〜5万円が目安とされる「お気持ちで」と言われたときの判断
どう渡すか切手盆または袱紗に乗せて両手で差し出す素手で直接渡さない

金額の詳細は関連記事一周忌のお布施に2万円は少ない?で解説しています。なお金額・作法はいずれも地域・宗派・お寺との関係により異なります。

「お気持ちで結構です」と言われたときの考え方

菩提寺に金額を尋ねると「お気持ちで結構です」と返ってくることは少なくありません。相場だけを見ても判断がつかず、後から金額が足りなかったのではと不安になる方もいます。

監修者で1級葬祭ディレクターの千葉龍一氏によれば、同じお寺の檀家であっても、地域やお寺との関係性、戒名などによってお布施の金額には差があるといいます。そのため葬儀社から明確な金額を断定して伝えることは難しく、まずは同じお寺の総代や親族など、檀家内の慣習をよく知る方へ相談するようすすめているとのことです。

寺院へ直接尋ねても差し支えないものの、やはり「お気持ちで」と言われることも少なくないといいます。どうしても具体的な目安を求められる場合には、その地域での一つの目安として「葬儀時のお布施のおおむね10分の1程度でしょうか」と伝えることがあるそうです。余裕のある方ばかりではないため、総代の方が把握している地域相場を確認しておくことは、檀家内での金額のバランスを大きく崩さないためにも大切だと千葉氏は話しています。

お布施袋(封筒)の選び方

お布施袋は、水引なし・郵便番号欄なしの白無地封筒を用いるのが基本とされています。

もっとも正式な形は、奉書紙(ほうしょがみ)でお札を包む方法です。和紙でお札を包み、半紙で巻いてからお渡しします。ただし市販の白封筒でも差し支えないとされており、選ぶ際は「水引なし・郵便番号欄なしの白無地」を目安にしてください。二重封筒は「不幸が重なる」ことを連想させるため避けるとされています。なお関西などでは黄白の水引付きの袋を用いる地域もあります。

図解2:お布施袋の選び方(奉書紙/白封筒/黄白水引)
種類位置づけ選ぶときの目安
奉書紙もっとも正式とされる形和紙で包み、半紙で巻いて渡す
白無地の封筒市販品でも差し支えないとされる水引なし・郵便番号欄なし・一重(二重封筒は避ける)
黄白の水引付き関西など一部地域の慣習地域の慣習に合わせる

※地域・宗派・葬儀社により異なります。判断に迷う場合は、文具店で「お布施用です」と伝えると、その地域に合ったものを案内してもらえます。

表書き・裏書き・中袋の書き方【記入見本】

表書きは濃墨で「御布施」と書き、下段に施主名を記します。香典の薄墨とは異なる点が、もっとも混同されやすいところです。

お布施は僧侶への謝礼にあたるため、香典のような薄墨ではなく、濃墨の毛筆や筆ペンを使うとされています。上段中央に「御布施」または「お布施」、下段中央にフルネームまたは「〇〇家」と書きます。「御布施」があらかじめ印刷された市販の封筒を使えば、下段の名前を書くだけで済みます。

封筒の裏面左下、または中袋には「住所・氏名・電話番号」と「金額」を書きます。金額は改ざん防止のため旧字体(大字)を用いるのが正式とされていますが、通常の漢数字や算用数字でも差し支えないとされています。

図解3:お布施袋の記入見本(どこに何を書くか)
書く場所書く内容記入例
表面・上段中央表書き(濃墨)御布施
表面・下段中央施主名(フルネームまたは家名)山田太郎/山田家
中袋の表面中央金額(旧字体が正式)金参萬圓也
中袋の裏面左下
(中袋がなければ封筒裏面左下)
住所・氏名・電話番号〇〇県〇〇市〇〇1-2-3
山田太郎
090-0000-0000
金額の旧字体(大字)での書き方
金額旧字体での書き方
3万円金参萬圓也
5万円金伍萬圓也

お布施の書き方全般についてはお布施の書き方ガイドでも解説しています。

書き損じた・封筒を間違えたときの対応

封筒の準備で多いのが、当日になって「白封筒が家にない」「水引は掛けるのだったか」と慌てるケースや、書き損じて買い直すケースです。

千葉氏によれば、一周忌の相談を受けた際には、お布施袋や筆ペンのほか、お寺へお供えする物やお墓参りに必要な物までまとめた準備一覧を渡し、事前に確認してもらっているといいます。お布施袋は書き損じることもあるため、あらかじめ2枚用意するよう案内しているとのことです。

実際には「御布施」の表書きが印刷された封筒を使う方が多く、間違いは施主名や家名の書き損じが中心だといいます。当日に「書き間違えた」「このままでよいか不安」と相談された場合は、事務所で販売しているお布施袋を案内し、必要に応じて新しい封筒へ書き直してもらっているそうです。

なお千葉氏は、多少の字の乱れや薄墨で書いてしまった場合でも、直ちに失礼になるわけではないとしています。ただし表書きや名前を大きく間違えた場合や、ご本人が納得できない場合は、気持ちよく法要を迎えられるよう書き直すことをすすめているとのことです。

お布施のお札の入れ方と向き

お布施のお札は新札が丁寧とされ、肖像画が封筒の表側・上向きになるように入れます。

お布施はあらかじめ用意しておく謝礼にあたるため、香典のような古札ではなく新札を用いるのが丁寧とされています。新札が用意できない場合は、できるだけ折り目の少ないきれいなお札を選びます。銀行の窓口で両替を申し出れば当日でも入手できますが、ATMから出るお札は新札とは限りません。

向きは、封筒の表面から見て肖像画が上部にくるように揃えます。香典とは逆になる点が混同されやすいところです。

図解4:お札の向き(お布施と香典の比較)
項目お布施香典
お札の状態新札が丁寧とされる折り目のある旧札が基本とされる
肖像画の面封筒の表側に向ける封筒の裏側に向ける
肖像画の上下上向き(封筒の口側)下向き(封筒の底側)
意味あいあらかじめ用意する謝礼突然の訃報に対する弔意

香典側の入れ方はお布施のお金の入れ方でも詳しく解説しています。

一周忌のお布施の渡し方の手順

お布施は素手で直接渡さず、切手盆または袱紗に乗せ、僧侶から表書きが読める向きにして両手で差し出します。

  1. 切手盆の上に、自分が表書きを読める向きでお布施を置きます。
  2. 切手盆の上下を持ち、時計回りに180度回転させ、僧侶から表書きが読める向きにします。
  3. お礼の言葉を添えながら、両手で切手盆ごと差し出します。
  4. 切手盆がない場合は、袱紗を開いてその上にお布施を乗せ、同じ向きにして両手で差し出します。

お布施を渡すときに添える言葉

  • 法要の前:「本日はどうぞよろしくお願いいたします」
  • 法要の後:「本日はありがとうございました」

御車代・御膳料をあわせてお渡しする場合は、お布施が一番上になるように重ねます。袱紗の色は紫・紺・グレーなど落ち着いたものを選びます。紫は慶弔どちらにも使えるため、一枚あると重宝します。

切手盆・袱紗がないときはどうするか

切手盆や袱紗を持っておらず、当日あわてて買い揃える方も増えているようです。また袱紗ごと渡すのか、袱紗は手元に残すのかで迷う場面もあります。

千葉氏の地域では、一周忌はお寺で営むことが多く、お布施は菓子折りなどの供物と一緒に持参するといいます。切手盆や袱紗を用意していない場合は、菓子折りを台代わりにし、その上にお布施を載せて渡すこともあるとのことです。寺院側に切手盆が用意されていれば、そちらへ移して祭壇に供えます。

直接渡す場合は、表書きが僧侶から読める向きに整え、両手で差し出します。袱紗を使う場合は、封筒を取り出して袱紗の上に載せ、袱紗自体は手元に残すのが千葉氏の案内する形です。切手盆や袱紗がないからと慌てる必要はなく、その場にある供物を使いながら失礼のない形で渡せるよう案内しているといいます。

これは単なる金銭の受け渡しではなく、いったんご本尊様へお供えし、その後に僧侶がお受け取りになるという考え方によるものだと千葉氏は説明しています。台に載せて差し出す作法の背景を知っておくと、道具がそろわない場面でも判断しやすくなります。

渡すタイミングは法要前?法要後?

渡すタイミングは法要の前後どちらでもよいとされていますが、お寺や地域の慣習に合わせるのが確実です。

出典によって「法要が始まる前の挨拶の際に渡すとよい」とするものと、「法要が終わってお帰りになる前が一般的」とするものがあり、見解は一致していません。開式前は受付や進行で慌ただしくなりやすいため、落ち着いて挨拶できる法要後を選ぶ方もいます。

一方、千葉氏の地域では、一周忌のお布施は法要当日のお勤め前に供える方が圧倒的に多いといいます。寺院では須弥壇(しゅみだん)に切手盆や三方が用意されていることが多く、施主が渡すタイミングに迷うことはあまりないとのことです。供物を持参したことを僧侶に伝えると、僧侶自ら祭壇へ供えてくれる場合もあるといいます。

このように、地域や寺院によって当日の流れは大きく異なります。判断に迷う場合は、事前にお寺または葬儀社へ確認しておくと確実です。※地域・寺院・葬儀社により異なります。

Q. 法要の前と後、どちらで渡すのが正しいですか?

A. どちらでも失礼にはあたらないとされています。ただし地域によっては法要前に祭壇へ供える形が定着している場合もあるため、お寺の慣習がある場合はそちらに合わせ、迷う場合は事前に確認しておくと安心です。

御車代・御膳料・卒塔婆料の扱い

お布施とは別に、御車代・御膳料・卒塔婆料が必要になる場合があり、それぞれ別の封筒に用意します。

お布施とは別に用意する費目
名目相場の目安内容
御車代5千円〜1万円程度僧侶に来ていただく場合の交通費。お寺で行う場合や送迎する場合は不要とされています
御膳料5千円〜1万円程度お斎(会食)に僧侶が参加されない場合の食事代
卒塔婆料1本あたり2千円〜1万円程度卒塔婆を立てる場合に必要

※いずれも地域・宗派・お寺により異なります。

家族のみの一周忌・振込やキャッシュレスの場合

家族のみで行う一周忌でも、お布施の基本的な形式は変わらないとされています。

近年は家族だけで一周忌を営むケースや、お布施を銀行振込で納めるケースも見られるようになりました。ただし千葉氏によれば、実務で関わる範囲では、振込やキャッシュレスでお布施を納める例はまだ見かけないといいます。現在も現金を封筒に入れ、法要前に祭壇へ供える形が一般的とのことです。

また家族だけで行う一周忌であっても、封筒の準備や供え方を特に簡略化するよう案内することはなく、通常の法要と同じように準備してもらっているといいます。参列者の人数にかかわらず、僧侶への謝礼という性格は変わらないためです。振込やキャッシュレスへの対応は寺院ごとに慣習が異なるため、初めての方には事前確認をすすめているとのことです。

一周忌のお布施に関するよくある質問

Q. お布施で「4万円」などタブーな金額はありますか?

A. 「4(死)」「9(苦)」を避ける厳密なルールはないとされています。気にされる親族がいる場合は、3万円や5万円に整えると無難です。

Q. 兄弟・親族で出し合う場合、表書きは連名にしますか?

A. 連名にせず、法要を取り仕切る施主一人の氏名を書くのが一般的とされています。内訳を明確にしたい場合は、中袋や別紙に全員の氏名と金額の明細を同封すると親切です。

Q. 同じ年に2人の法要を一緒に行う(併修)場合のお布施は?

A. 2倍にする必要はなく、通常の1.5倍程度が目安とされています。1つの封筒にまとめて包み、事前にお寺へ併修である旨を伝えておくと当日の段取りが整います。

Q. お布施の封筒に金額は書かなくてもよいですか?

A. 書かなくても失礼にはあたらないとされていますが、お寺側の管理のために書き添えるほうが親切とされています。

Q. 切手盆も袱紗もない場合はどうすればよいですか?

A. 監修者の千葉氏によれば、持参した菓子折りなどの供物を台代わりにし、その上にお布施を載せて渡すこともあるといいます。寺院に切手盆が用意されていれば、そちらへ移して祭壇に供えます。道具がそろわなくても、表書きが僧侶から読める向きに整え、両手で差し出せば失礼にはあたりません。

書き方と渡し方を押さえれば当日は迷わない

一周忌のお布施は、封筒選び・書き方・お札の向き・渡し方の4点を押さえておけば、当日に迷うことはほとんどありません。最後に要点を整理します。

  • 封筒は水引なし・郵便番号欄なしの白無地が基本
  • 表書きは「御布施」を濃墨で。香典の薄墨とは異なる
  • 中袋の金額は旧字体が正式(通常の漢数字でも可)
  • お札は新札・肖像画は表側の上向き。香典とは逆
  • 切手盆または袱紗に乗せ、僧侶から読める向きで両手で渡す
  • 金額の目安は3万〜5万円。「お気持ちで」と言われたら総代や親族に地域の慣習を確認する

道具がそろわない、書き損じたといった場面でも、落ち着いて対応すれば失礼にはあたりません。服装など当日の準備は自宅の一周忌の服装もあわせてご確認ください。

記事監修者

記事監修者

千葉龍一
【厚生労働省認定技能試験 1級葬祭ディレクター】

葬祭業務に13年以上従事し、事前相談から打合せ、施行まで累計1,000件以上の葬儀をサポートする1級葬祭ディレクター。一般葬・家族葬を中心に、ご家族の意向と地域の慣習を尊重した葬儀運営を得意としている。 特に岩手県南部地域の葬儀事情(寺院での葬儀行列や、七日ごとの「拝み日」など)に精通。葬儀が単なる儀式にならず、故人らしさが感じられるお見送りとなるよう、ご遺族の気持ちに寄り添う対応を信条とする。喪主様やご遺族様が最期の時間に集中できるよう、先回りした進行・準備のサポートを徹底している。

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