



通夜と告別式は、どちらも故人を見送る大切な儀式ですが、その意味や参列する人の範囲、当日の流れには違いがあります。「葬儀と告別式は何が違うのか」「どちらに参列すればよいのか」と戸惑う方も少なくありません。本記事では、通夜・葬儀・告別式・葬式の違いから当日の流れ、参列マナーまでを丁寧にご紹介します。
この記事でわかること
通夜・葬儀・告別式は、それぞれ役割の異なる儀式で、現在は同じ日程の中で続けて執り行われるのが一般的とされています。
| 項目 | 通夜 | 葬儀(葬儀式) | 告別式 | 葬式 |
|---|---|---|---|---|
| 性格 | 故人に付き添う夜の儀式 | 宗教的な儀式(供養) | 社会的な儀礼(お別れ) | 通夜〜告別式を含む総称 |
| 主な参列者 | 遺族・親族・親しい人 | 遺族・親族が中心 | 友人・知人・仕事関係など広い範囲 | ― |
| 時間帯の目安 | 前日の夕方〜夜 | 翌日の午前〜 | 葬儀に続けて午前〜昼 | ― |
| 中心となる所作 | 読経・焼香・通夜振る舞い | 読経・引導 | 弔辞・弔電・焼香・献花・お別れの儀 | ― |
本来、「葬儀」と「告別式」は目的の異なる別の儀式です。しかし現在は同じ日に続けて執り行われることが多く、二つをまとめて「葬儀・告別式」と呼ぶのが一般的になっています。そのため、二日目の儀式全体を「葬儀」と呼ぶ場合もあれば「告別式」と呼ぶ場合もあり、呼び方は地域や寺院、葬儀社によって異なります(※地域・寺院・葬儀社により異なる場合があります)。
監修者で1級葬祭ディレクターの千葉龍一氏によれば、実務の現場でも「告別式」だけを単独で案内することは少なく、式の案内では「葬儀並びに告別式」と続けて呼ぶことが多いといいます。喪主との打ち合わせでも、「ここからが葬儀、ここからが告別式」と厳密に区切って説明するよりも、弔辞・弔電・お別れの言葉・喪主挨拶がそれぞれ読経のどのタイミングで行われるかを具体的に確認する形で進めることが多いとのことです。弔辞やお別れの言葉を述べる方がいる場合は、開式前に前方の席へ案内するといった配慮もなされているといいます。呼び方の違いそのものより、当日の流れを喪主が不安なく把握できることを大切にしているとのことです。
通夜は告別式の前夜に行われ、親しい人が中心となって故人に付き添う儀式です。一般的な流れは、受付・着席のあと僧侶が入場して読経がおこなわれ、喪主・遺族・親族・参列者の順に焼香し、僧侶退場・喪主挨拶を経て、通夜振る舞い(会食の席を設ける場合)に移ります。
告別式との主な違いは、時間帯(通夜は夕方〜夜、告別式は翌日の午前〜昼が一般的)、参列者の範囲(通夜は親しい人が中心、告別式は友人・知人など広い範囲の方が参列するとされる)、性格(通夜は故人に付き添う場、告別式は社会的にお別れを告げる場)の3点とされています。
なお、地域によっては火葬を通夜・告別式より先に行う「骨葬」と呼ばれる形式がとられることもあり、儀式の順序は地域によって異なります(※地域により異なります)。監修者の千葉氏によれば、訃報を伝える際は通夜・告別式のどちらか一方だけでなく、一連の日程をまとめて案内すると、参列者が予定を把握しやすいとのことです。
なお、通夜に短時間だけ弔問して焼香のみで退出する参列の仕方もあります。詳しくはお通夜に焼香だけの流れとマナーもご覧ください。
告別式は、受付から出棺まで、おおむね1時間程度を目安に進むとされています。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 1日目(夕方〜夜) | 納棺 → 通夜(受付・読経・焼香・喪主挨拶)→ 通夜振る舞い |
| 2日目(午前〜昼) | 告別式(受付・読経・弔辞弔電・焼香・喪主挨拶)→ お別れの儀 → 出棺 → 火葬・骨上げ |
告別式当日は、受付開始(開式の30分ほど前が目安)に始まり、遺族・参列者の着席、僧侶入場・開式、読経・引導、弔辞・弔電の紹介、焼香、僧侶退場・喪主挨拶、お別れの儀(別れ花)を経て、出棺・火葬・骨上げへと進みます。式そのものの所要時間はおおむね1時間程度とされ、参列者が多い場合は1時間半〜2時間ほどになることもあります。火葬・骨上げまで含めると、全体では半日ほどが目安とされています(※式場・火葬場の状況により異なります)。
監修者の千葉氏によれば、お別れの儀ではまずご家族や親族、参列者が花を棺に納め、そのあとあらためて家族だけで棺を囲み、時間の許す範囲で最後のお別れの時間を持つ形が多いといいます。出棺の5分ほど前を目安に声をかけ、家族や近しい人が棺の蓋を閉じる流れが取られることが多いとのことです。この間、参列者には出棺の時間や身支度について案内し、火葬場への到着時間を踏まえながら区切りを急がせるのではなく少し前から声をかけることで、家族の気持ちと全体の進行の両方に配慮しているといいます。
火葬を行うには、死亡届の提出と火葬許可証の交付が必要です。死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡地・本籍地・住所地いずれかの市区町村へ提出するのが原則とされています。火葬許可証がないと火葬はできないため、多くの場合は葬儀社が手続きを代行します。詳しくは火葬とは?必要な手続きとマナーもご覧ください(※必要書類や窓口対応は自治体により異なります)。
Q. 告別式の所要時間はどのくらいですか?
A. 式そのものはおおむね1時間程度が目安とされています。参列者が多い場合は1時間半〜2時間ほどになることもあります。
Q. 友引の日に告別式は行えますか?
A. 宗教的な決まりではありませんが、慣習として友引を避ける地域が多く、火葬場が休業となる場合もあります(※地域により異なります)。
参列するのは通夜・告別式のどちらでも失礼にはあたらず、都合に合わせて選ぶのが一般的とされています。親しい間柄の方は通夜と告別式の両方に参列することが多いとされる一方、仕事関係など一般的な間柄では、都合のつく一方に参列すれば問題ないとされています。近年は日中の告別式に参列しづらいことから、夕方の通夜に弔問する方も増えているとされています。
Q. 通夜と告別式のどちらか一方だけの参列でも失礼になりませんか?
A. 一方のみの参列でも失礼にはあたらないとされています。都合に合わせて選んで問題ないと考えられています(※地域や関係性により異なります)。
通夜・告別式ともに喪服(ブラックフォーマル)が基本とされています。急な通夜では地味な平服でも差し支えないとされる場合があります(※地域・立場により異なります)。持ち物は香典、袱紗、数珠、ハンカチなどを用意するのが一般的です。香典の金額相場や表書きの書き方は香典の金額相場と正しい書き方で詳しく解説しています。
喪主側は、進行を葬儀社と打ち合わせながら進めるのが一般的です。喪主挨拶のタイミングや弔辞の依頼など、当日の段取りを事前に確認しておくと安心とされています。監修者の千葉氏によれば、通夜・告別式のどちらにどれくらいの人数が参列されるかを事前に確認し、その人数をもとに返礼品や料理の数量を決めることが多いといいます。当日は訃報を聞いた関係者が急に参列されることもあるため、数量には少し余裕を持たせつつ、ご遺族の負担にならない範囲で調整するとのことです。
参列者側は、受付での記帳、焼香の順番、途中退席する場合の配慮など、基本的な作法を押さえておくとよいとされています。喪主挨拶の例文は家族葬の喪主挨拶例文集もご参照ください。
焼香の回数や作法など、細部は宗派(浄土真宗・浄土宗・曹洞宗・日蓮宗など)により異なります(※宗派・寺院により異なります)。近年は家族葬の形で、身内を中心に告別式を行うケースも増えているとされています。家族葬の詳細は家族葬とは?費用・流れ・マナーをご覧ください。
葬儀全体の2日間の流れをより詳しく知りたい方は、お葬式の流れと手順、火葬にかかる時間の目安は火葬にかかる時間もあわせてご覧ください。
Q. 通夜だけの参列は失礼にあたりますか?
A. 失礼にはあたらないとされています。都合に合わせて通夜のみに参列する方も少なくありません。
Q. 告別式に間に合わないときはどうすればよいですか?
A. 事前に遺族へ連絡を入れ、後日弔問する、弔電を送るなどの方法があるとされています。
Q. 通夜と告別式の両方に参列する場合、香典は二度必要ですか?
A. 香典は一度で問題ないとされるのが一般的です。両方に参列しても、通夜または告別式のいずれかで一度お渡しします(※地域により異なります)。
通夜・葬儀・告別式は、それぞれ役割の異なる儀式ですが、現在は続けて一連の流れで行われるのが一般的です。参列は通夜・告別式のどちらでも失礼にはあたらず、都合に合わせて選べます。当日の流れや必要な手続きの目安を知っておくことで、いざというときに落ち着いて対応しやすくなります(※作法や呼称は地域・宗派・葬儀社により異なるため、詳細は葬儀社や寺院にご確認ください)。